※ 本記事は2022年に書いた記事を更新したものです.少々情報が古いかもしれません.

はじめに

Tectonic は Rust 製のモダンな LaTeX 組版エンジンです
XeTeX と TexLive を元にして作られています

▼ 公式サイト

The Tectonic Typesetting System

メリット

  1. \usepackage で指定したパッケージを自動でインストール
    ファイルサイズが巨大な TexLive Full(下記補足)のインストールが不要

  2. 文書のビルド(PDF作成)が容易
    ▲ わずか数行のコマンドでビルド可能

TexLive

ローカル環境で LaTeX を動かすためのファイル群
これのおかげで環境構築に苦労することもしばしば...
また,パッケージを不自由なく使うためには,**巨大(数GB程度?)**な TexLive Full をインストールする必要があり,インストールにとても時間がかかる

インストール

以下のコマンドをターミナル上で実行するとインストールできます

**curl --proto '=https' --tlsv1.2 -fsSL https://drop-sh.fullyjustified.net |sh**

次に tectonic -h と打って Tectonic のヘルプが出ればインストール成功です

▼ ドキュメント

brew や cargo を用いたインストール方法も記載されている
The Tectonic Typesetting System

文書作成 → PDF 作成まで

コマンドをターミナル上でいくつか実行するのみで完了です
▼ ビルドに用いるファイル群を作成するコマンド

tectonic -X new myfirstdoc
./
├── src/
│  ├── _postamble.tex (本文の後に記述)
│  ├── _preamble.tex (本文の前に記述)
│  └── **index.tex (本文)**
└── Tectonic.toml (設定ファイル)

▼ ビルドを行うコマンド

tectonic -X build # cd myfirstdoc/src などで src ディレクトリへ移動してから実行
 
./
├── build/
│  └── default/
│     └── **default.pdf (生成物)**
├── src/
│  ├── _postamble.tex
│  ├──_preamble.tex
│  └── index.tex
└── Tectonic.toml
 

▼ ドキュメント

The Tectonic Typesetting System

日本語表示への対応

_preamble.tex\documentclass を以下の通りに書き換えた上でビルドしてください
...以上!!!

\documentclass[
    xelatex,
    ja=standard,
]{bxjsarticle}

まとめ

以上で Tectonic を用いた日本語 LaTeX 環境の構築は終了です
TexLive と違って一瞬で終わるので楽ちんですね